ウクライナから移住したご夫婦のお宅で
ウクライナからドイツに移住された70代のご夫婦の家にご招待いただいた。
語学堪能なママ友のおかげで、こうしてドイツ在住のさまざまな方と交流を持てることに感謝している。
お会いしたウクライナの奥様は、移住してまだ1年ほどだった。
ドイツ語はゼロからのスタートだったそうだが、語学学校にも通わず独学でどんどん上達していた。
同居されていたのは認知症を患うご主人で、その中でも明るく前向きに暮らしていらっしゃる姿が印象的だった。
少し前まではホームシック気味で元気がなかった時期もあったそうだが、この日はとても生き生きとしていた。
温かいおもてなしと手料理に、心がじんわりと満たされた。
ボルシチとウクライナの味
「ボルシチ」と聞くとロシア料理のイメージが強かったが、実際はウクライナの伝統的な家庭料理なのだそうだ。
赤いビーツの色が美しく、野菜・豆・お肉がたっぷり入った体に優しいスープだった。
上にクリームを乗せて食べるのが本場流で、黒パンとの相性が抜群だった。
関節炎のような手で、あれほどたくさんの野菜を刻み、準備してくださったと思うと胸が熱くなった。
もう一品は、パンのような生地の中にモーン(けしの実)と刻んだリンゴや洋梨が入った甘いお菓子だった。
そして初めて知った「ギーオイル」も使われていた。
さらに、卵の黄身を上に塗り、白身を中に入れて焼いた、黄色と白のコントラストが美しい料理もあった。
どれもウクライナの家庭の味だった。
生地は6時間もかけてこねて寝かせたと聞き、私たちのためにそこまでしてくださったことに感動した。

驚くほど多くの野菜が入っている。
具材のうまみがよく出ている。写真から受けるイメージとは異なり、さっぱりしていて、いくらでも食べれてしまう。
Caro®という飲み物を頂いた。
味は少し香ばしくて、デカフェコーヒーと麦茶の中間みたいな風味。
穀物 (大麦、麦芽、ライ麦) コーヒーは,カフェイン摂取を控えている方にお勧めだ。

元・中学校の算数の先生
ふるまいや表情、言葉の端々から知的さと温かさが伝わってきた。
「現役の頃はどんなお仕事をされていたんですか?」と伺うと、
「中学校の算数の先生だったの」と微笑まれた。
納得だった。
自分で学び続ける力と、人のために尽くす姿勢。
その両方が、この方の中に自然に息づいているのを感じた。
ウクライナカラーの部屋で
自宅には黄色の花が飾られ、青いクッション、ウクライナの国旗、そしてウクライナカラーのランチョンマットが置かれていた。
日本人が海外に住んでも、自宅を赤と白の日本カラーで飾るという発想はあまりないなと思った。
愛国心の違いなのか、それとも移住の理由の違いによるものなのか――とても興味深かった。
私たちが持って行ったのはピンクの花束だった。
次に伺うときは、彼女の好きな色を入れた花束を手土産にしたいと思った。